2001年ロゴ

2001年宇宙の旅 は不滅の作品である。そしておそらく誰もがこう考える。その意図するところは果たしてなにか。哲学、精神、超人思想。宗教、神、仏、悪魔、輪廻転生、極楽、地獄。異次元、異空間、反転宇宙。クローン、シリコン生命体、オートマトン、ETI 、、、

切り口が違えば無数の解釈が可能であることは既にご存じの通りである。従って、自分の解釈と異なる他人の2001評を批判することは全くの的外れといってよい。読者・鑑賞者の数だけの解釈があって至極当然な作品なのである。

ところが近年、この完璧であるはずの作品にも整合性の点でほころびが見え隠れするようになってきた。あのスプートニクを予言したとされる 「科学者クラーク」 でさえも、今の時代の急激な変化を予期できなかったのである。

ソビエトという 「宇宙開発先進国」 は既に崩壊した。他の国も宇宙開発関係予算は軒並み削減されている。もはや巨大開発プロジェクトが脚光を浴びる時代ではないのかもしれない。無くてはならない存在のパンナムもあの有り様で、両作品の基幹と目されるHAL9000コンピュータに至っては一向に現実のものとして見えてこないのだ。人々の関心はうつろいやすく、価値観や目標も 崩壊と再構築を繰り返す時代が到来したようである。

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