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__ | S-Band Transponder Experiment , Apollo 14 Experiment | __ | ![]() |
S-Band Transponder Experiment , Apollo-14 Command Service Module |
この実験は、月周回軌道上の宇宙船(CSM)と地球で電波をやり取りしてその電波の周波数の変移(ドップラー変移)を測定し、正確な宇宙船の速度(変化)を求めるものである。具体的には、2115 MHz の電波を地球側から宇宙船に送信し、それを受けた宇宙船側が地球に再送信する。0.01 Hz(0.6 mm/sec)の変移まで識別可能である。但し、宇宙船が月の裏側に入っている間は実験が行なえない。 なお、この実験は14号、15号、16号、そして17号で行われた。 宇宙船の速度(変化)を得ることの意義は、それによって「月の重力の位置的な変化」、「月を構成する物質の分布・密度」すなわち「月の内部構造」が明らかになることにある。 月周回軌道上の宇宙船の速度(変化)は、太陽の重力、地球の重力、および月の重力によって決定される。これらのうち、太陽の重力及び地球の重力の影響(数値)は既に判っているので、「宇宙船の速度(変化)」から「月の重力の位置的な変化」を求めることが出来るのである。 さらに、得られた「月の重力の位置的な変化」から、月内部の「物質の分布・密度」すなわち「構造」を推測することが可能となる。 なお、月の重力の時間的変移についてはアポロ17号の Lunar Surface Gravimeter で研究された (残念ながら実験は失敗)。 この実験によって MASCON(マスコン/重い物質) と呼ばれる重力異常地帯の存在が明らかになっていくのである。 |
▲ End of S-Band Transponder Experiment Apollo-14 ▲