__ | Lunar Orbiter 3 TOP | __ |
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月面探査機 ルナ・オービター3号の任務は、第一に、月面を高解像度で撮影してアポロ月着陸船の安全なランディング・サイトを見つけ出す、その最終段階を担当することであり、第二に、月の放射能レベルやマイクロ流星体の衝突データを得ることであった。 月面の写真撮影・観測は孫衛星となって月周回軌道上から行ない、その軌道設定 (計算) には太陽とカノープスの位置を見据えて安定させるシステムを用いる、、、これは1号/2号と同様である。 しかし、周回軌道については1号/2号が撮影した夫れ夫れのエリアにアクセス出来るように少々変更されている。 3号の撮影ターゲットは1号/2号が撮影した写真を基に決められた。 第一候補地群として12サイト (サーベイヤ1号のランディング・エリアを含む)、第二候補地群として32サイトである。 そして3号は、1967年2月15日〜23日にかけて月を54周する間に211枚の写真撮影を行ない、指向性と無指向性のアンテナからなる S-band システムを利用して同年3月2日から地球に撮影データを送信し始める。 が、残念なことに、データ読み出し段階の不具合から全てのデータを完全な状態で送信することが出来なかった。 任務を終えた3号は、後に、司令に従って月面 (14.3 degrees N latitude, 97.7 degrees W) に衝突し作動を停止した。 |
Cameras
ルナ・オービター1号〜5号は共通の写真撮影システムを使用していた。 そのシステムとは、カメラ、フィルム、地球へデータを転送するためのデータ読み出しデバイスなどを、気圧や熱の問題を考慮したコンテナに収納したものだ。 このシステムに含まれる2台のカメラは、70mmフィルムと 80mm/610mmレンズを使い、絞り 5.6 (固定)、シャッタースピード 0.001/0.02/0.04秒で、同一の目標地点を異なる解像度 (中/高) で同時に撮影できる。 1号〜5号を通して撮影されたハイクォリティーな月面写真は実に1654枚。そのうちの840枚は、1号〜3号によってアポロ計画のランディング・サイトを決する目的で撮影された。4号〜5号によって撮影された残りの814枚は、月の表側が703枚、裏側が105枚、地球が6枚で、1号〜3号に比べ より広い範囲を撮影対象にしている。 |
Lunar Surface
Theophilus crater |
直径100kmの Theophilus crater (Latitude:11.4 S、Longitude:26.4 E) である。 セントラル・ピーク (中央の頂) やクレーター内壁のテラス(段地構造)がはっきりと写っている。 |
Tsiolkovsky crater |
月の裏側 (farside) 特有のクレーター群をとらえている。 中央のクレーターが有名なツィオルコフスキー・クレーターである。Latitude:21.2 S、Longitude:128.9 E。このクレーターは直径185kmの大クレーターであるが、中でも目を引くのは、内部の、漆黒な、滑らか過ぎる地形 (mare/海/直径約125km〜145km) だ。 そもそも、月の裏側には海のような滑らかなエリアは少ないので、余計に目立っている。 |
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