__ APOLLO 10 (AS-505) TOP

__

本文中のリンクを同じウィンドウに開く (現) 本文中のリンクを新しいウィンドウに開く (切り替え)



SATURN 01-10 AS 201 202 203 APOLLO 01 04 05 06 07 08 09 10 11 12 13 14 15 16 17


Summary Cameras Long-distance Lunar surface

時刻は EDT (米東部夏時間)

Mission type
F-type

Launch
May 18,1969;12:49:00 a.m.
1969年5月18日午前12:49:00

Cape Kennedy (Canaveral)
LC-39 Pad B

Launch vehicle
Saturn-V
(S-IC/S-II/S-IVB/S-IU)

Payload (Spacecraft)
CSM-106 (Charlie Brown)
LM-4 (Snoopy)

Mission Commander
Thomas P. Stafford

Command module pilot
John W. Young

Lunar module pilot
Eugene A. Cernan

Earth Orbit
Altitude: 190km x 184km

Earth Orbits
_

lunar orbits
31 orbits (61.6 hours)

Duration
08days,03min,23seconds
(192hours,03min,23seconds)

Earth Splashdown
May 26,1969;12:52 a.m.

Depository
U.S.S. Princeton

 

Launch

1969年5月18日午前12時49分 (EDT)、ケープケネディ Launch Complex 39 Pad B から打ち上げられたアポロ10号は有人月着陸の最終的なデモンストレーション飛行を行なった。今回の飛行から F-Mission となり、月周回軌道上で CSMLM を有人で飛行させ、アポロ11号 以降で予定されている有人月着陸計画に「穴バグ)」がないかどうかを検証することになる。

クルーは船長のトーマス・スタッフォード、司令船パイロットのジョン・ヤング、そして月着陸船パイロットのユージン・サーナンである。

CSM Lunar Orbit

月周回軌道上で行なわれたデモンストレーションは各ステージの順序や内容からして(月面着陸そのものを除けば)アポロ11号 と殆ど同じといってよい完成度だった。

まず、CSM については、月周回軌道上における有人飛行のみ アポロ8号 で検証済みだが、今回は特に、月着陸に視点を置いた検証・テストを行っている。宇宙船(キャビン)内における居住性及び作業性の検証、エンジンテスト(SPS /Service Propulsion System)、LM とのランデブー/ドッキング/セパレーション、肉眼による月面の観察、月面撮影(立体写真を含む)、ランディング・サイト(11号のランディング・サイト及びその他の候補地)の確認・観測などである。

LM from CSM

一方、LM については、地球周回軌道上における有人飛行(ドッキング/セパレーション作業を含む)が アポロ9号 で既に検証済みだが、月重力圏内(月周回軌道上、月表面近く)の LM 有人飛行については今回が初めての試みとなる。

特に、「月表面近く」に関して言えば、アポロ8号の「111km」とは桁が違い、最終的には月面から15km弱(47,000フィート)の位置まで降下している。これは、地球上空なら成層圏に相当する位置であり、航空機でも到達できる高度である(*1)。

LM at KSC

実際のところ、LM が月面に最接近する様子をTVで観ていた人類は(筆者も含め)度肝を抜かれた。月面の詳細な様子がまるで「映画のように」はっきりと識別できたこともそうであるが、余りにも順調に、滑らかに月面最接近を成し遂げたからである。そのまま着陸しないのが不思議なくらいだった。

ここまで、LM の開発遅延をはじめとして、個々のハードウェア(開発・テスト)についてはどうみても順調とは言えなかったが、月着陸というソフトウェア(イベントの組み立てや作業手順)に関する限りは アポロ8号 あたりを境にして急激に 精度 があがっていったようだ。

CSM

5月16日、アポロ10号司令船はほぼ完璧に(*2) 月着陸のデモンストレーションを終了し、無事地球に帰還した。 このミッションの終了により、人類初の月着陸(アポロ11号)の成功が確信され、あとは打ち上げを待つだけとなった。

-----
(*1) アペニン山脈アポロ15号 のランディング・サイト近くの山脈 /山頂は5000m以上) や コーカサス山脈(山頂は「海抜」6000m以上)等の地形を考慮すれば地球の「対流圏」にも迫るものとなる。

(*2) 通信及びアンテナに関しては少々不具合があり、予定されていたテストが中止されている。

Cameras

Hasselblad 500 EL camera

Cameras

このハッセルブラッド 500 EL カメラ (改造型) はアポロ8号と同型である。レンズは 80ミリ、250ミリ。月面上における撮影では主に60ミリレンズが使用された。この写真には起点を表すクロスリンク (十字架) マークがついているのですぐに判る。

写真分析のためには解像度 (分解能) を最優先させる必要があり、その点では、カラーよりもモノクロ (白黒写真) のほうが望ましい。アポロ計画を含む月面探査の写真にモノクロが多いのはこのためだ。

Color TV camera

アポロ10号撮影のカラーテレビジョン映像は地球でライブ放送された (初の試み)。地球に送られてきたカラーテレビジョン映像は時間にすると合計5時間以上にものぼった。

このミッションで実際に使用されたフィルムは、16ミリフィルムが15マガジン、70ミリフィルムが9マガジンだった。

Long-distance

Moon /Long-distance

Moon

アポロ10号では様々な距離、高度、アングル、方式(立体写真等)によりイメージが撮影されている。右のイメージは遠距離から撮影された月で、代表的な「海」が確認できる。 晴れの海(Mare Serenitatis)、危機の海(Mare Crisium)、静かの海(Mare Tranquillitatis = Sea of Tranquility)、神酒の海(Mare Nectaris)などである。

Earth /Long-distance

Earth

右のイメージは同じく36,000マイル (36,000海里=約66,672km) の遠距離から撮影された地球で、北アメリカ大陸 (特にメキシコやカリフォルニア半島) などが見えている。

Lunar surface

Sea of Tranquility

Apollo-11 Landing site

右の、斜めアングルのイメージは、アポロ11号のランディング・サイトである 静かの海(Mare Tranquillitatis = Sea of Tranquility)付近をとらえている。アポロ11号の月着陸船イーグルは写真の下側のエリアにランディングした。 イメージ下部の右端に見える大きめのクレーターは モルトケ・クレーター(Moltke crater /0.6S,24.2E、直径約6km)。

その下の、垂直アングルのイメージは、ランディング・サイト2をとらえている。

Landing site 2

IAU crater No. 300

IAU crater No.300

右のイメージは、月の裏側に位置する IAU No. 300(International Astronomical Union No. 300 /10S,155E)。アポロ10号 CSM から撮影された。でこぼこで粗野な地形は、月の裏側特有の景観だ。

Triesnecker crater

Triesnecker crater

右イメージの大きなクレーターが トリスネッカー・クレーター(Triesnecker crater /4.2N,3.6E、直径約26km) である。アポロ10号 CSM から斜めアングルで撮影された。月面上では並みのサイズといえる。このクレーターの右側には成因不明の裂溝(川のような溝)が走っている。

Censorinus crater

Censorinus crater

イメージの左下に見える明るいクレーターが ケンソリヌス・クレーター(Censorinus crater /0.4S,32.7E、直径約3km)である。月面上で最も明るいクレーターの一つだ。イメージの右下はアポロ11号のランディング・サイト「静かの海(Mare Tranquillitatis = Sea of Tranquility)」 。アポロ10号 CSM から斜めアングルで撮影された。



 End of APOLLO 10 (AS-505) TOP 

__ Reference
National Aeronautics and Space Administration (NASA)
Kennedy Space Center (KSC)
Jet Propulsion Laboratory (JPL)
Goddard Space Flight Center (GSFC)
Johnson Space Center JSC Home Page (JSC)
National Space Science Data Center (NSSDC)
American Astronomical Society (AAS)
CHECKOUT and LAUNCH CONTROL SYSTEM PROJECT (CLCS)
_ Moon Investigation LogoMoon Investigator Badge

Writer : Masaaki Umehara
Contact us : Email
Search Engines : http://www.masaakix.interlink.or.jp/db/
The Apollo Program : http://www.masaakix.interlink.or.jp/apollo/
Hal's Eyes Web Site / Home : http://www.masaakix.interlink.or.jp/

当サイトの著作権及び閲覧ガイド