__ | APOLLO 10 (AS-505) TOP | __ |
SATURN 01-10 AS 201 202 203 APOLLO 01 04 05 06 07 08 09 10 11 12 13 14 15 16 17
Summary Cameras Long-distance Lunar surface
Mission type Launch Launch vehicle Payload (Spacecraft) Mission Commander Command module pilot Lunar module pilot Earth Orbit Earth Orbits lunar orbits Duration Earth Splashdown Depository |
1969年5月18日午前12時49分 (EDT)、ケープケネディ Launch Complex 39 Pad B から打ち上げられたアポロ10号は有人月着陸の最終的なデモンストレーション飛行を行なった。今回の飛行から F-Mission となり、月周回軌道上で CSM と LM を有人で飛行させ、アポロ11号 以降で予定されている有人月着陸計画に「穴バグ)」がないかどうかを検証することになる。 クルーは船長のトーマス・スタッフォード、司令船パイロットのジョン・ヤング、そして月着陸船パイロットのユージン・サーナンである。 月周回軌道上で行なわれたデモンストレーションは各ステージの順序や内容からして(月面着陸そのものを除けば)アポロ11号 と殆ど同じといってよい完成度だった。 まず、CSM については、月周回軌道上における有人飛行のみ アポロ8号 で検証済みだが、今回は特に、月着陸に視点を置いた検証・テストを行っている。宇宙船(キャビン)内における居住性及び作業性の検証、エンジンテスト(SPS /Service Propulsion System)、LM とのランデブー/ドッキング/セパレーション、肉眼による月面の観察、月面撮影(立体写真を含む)、ランディング・サイト(11号のランディング・サイト及びその他の候補地)の確認・観測などである。 一方、LM については、地球周回軌道上における有人飛行(ドッキング/セパレーション作業を含む)が アポロ9号 で既に検証済みだが、月重力圏内(月周回軌道上、月表面近く)の LM 有人飛行については今回が初めての試みとなる。 特に、「月表面近く」に関して言えば、アポロ8号の「111km」とは桁が違い、最終的には月面から15km弱(47,000フィート)の位置まで降下している。これは、地球上空なら成層圏に相当する位置であり、航空機でも到達できる高度である(*1)。 実際のところ、LM が月面に最接近する様子をTVで観ていた人類は(筆者も含め)度肝を抜かれた。月面の詳細な様子がまるで「映画のように」はっきりと識別できたこともそうであるが、余りにも順調に、滑らかに月面最接近を成し遂げたからである。そのまま着陸しないのが不思議なくらいだった。 ここまで、LM の開発遅延をはじめとして、個々のハードウェア(開発・テスト)についてはどうみても順調とは言えなかったが、月着陸というソフトウェア(イベントの組み立てや作業手順)に関する限りは アポロ8号 あたりを境にして急激に 精度 があがっていったようだ。 5月16日、アポロ10号司令船はほぼ完璧に(*2) 月着陸のデモンストレーションを終了し、無事地球に帰還した。 このミッションの終了により、人類初の月着陸(アポロ11号)の成功が確信され、あとは打ち上げを待つだけとなった。 ----- (*2) 通信及びアンテナに関しては少々不具合があり、予定されていたテストが中止されている。 |
Hasselblad 500 EL camera このハッセルブラッド 500 EL カメラ (改造型) はアポロ8号と同型である。レンズは 80ミリ、250ミリ。月面上における撮影では主に60ミリレンズが使用された。この写真には起点を表すクロスリンク (十字架) マークがついているのですぐに判る。 写真分析のためには解像度 (分解能) を最優先させる必要があり、その点では、カラーよりもモノクロ (白黒写真) のほうが望ましい。アポロ計画を含む月面探査の写真にモノクロが多いのはこのためだ。 Color TV camera アポロ10号撮影のカラーテレビジョン映像は地球でライブ放送された (初の試み)。地球に送られてきたカラーテレビジョン映像は時間にすると合計5時間以上にものぼった。 このミッションで実際に使用されたフィルムは、16ミリフィルムが15マガジン、70ミリフィルムが9マガジンだった。 |
Moon /Long-distance |
アポロ10号では様々な距離、高度、アングル、方式(立体写真等)によりイメージが撮影されている。右のイメージは遠距離から撮影された月で、代表的な「海」が確認できる。 晴れの海(Mare Serenitatis)、危機の海(Mare Crisium)、静かの海(Mare Tranquillitatis = Sea of Tranquility)、神酒の海(Mare Nectaris)などである。 |
Earth /Long-distance |
右のイメージは同じく36,000マイル (36,000海里=約66,672km) の遠距離から撮影された地球で、北アメリカ大陸 (特にメキシコやカリフォルニア半島) などが見えている。 |
Sea of Tranquility |
右の、斜めアングルのイメージは、アポロ11号のランディング・サイトである 静かの海(Mare Tranquillitatis = Sea of Tranquility)付近をとらえている。アポロ11号の月着陸船イーグルは写真の下側のエリアにランディングした。 イメージ下部の右端に見える大きめのクレーターは モルトケ・クレーター(Moltke crater /0.6S,24.2E、直径約6km)。 その下の、垂直アングルのイメージは、ランディング・サイト2をとらえている。 |
IAU crater No. 300 |
右のイメージは、月の裏側に位置する IAU No. 300(International Astronomical Union No. 300 /10S,155E)。アポロ10号 CSM から撮影された。でこぼこで粗野な地形は、月の裏側特有の景観だ。 |
Triesnecker crater |
右イメージの大きなクレーターが トリスネッカー・クレーター(Triesnecker crater /4.2N,3.6E、直径約26km) である。アポロ10号 CSM から斜めアングルで撮影された。月面上では並みのサイズといえる。このクレーターの右側には成因不明の裂溝(川のような溝)が走っている。 |
Censorinus crater |
イメージの左下に見える明るいクレーターが ケンソリヌス・クレーター(Censorinus crater /0.4S,32.7E、直径約3km)である。月面上で最も明るいクレーターの一つだ。イメージの右下はアポロ11号のランディング・サイト「静かの海(Mare Tranquillitatis = Sea of Tranquility)」 。アポロ10号 CSM から斜めアングルで撮影された。 |
▲ End of APOLLO 10 (AS-505) TOP ▲