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STAGE Launch Pad Checkout Transport Saturn V Mission
1967年11月9日に ケープケネディ Complex 39 Pad A から打ち上げられた Apollo-4 (AS-501) は アポロ宇宙船 (無人) を含む125トンの人工衛星を地球周回軌道上に無事投入した。アポロ計画の担い手 サターンV型ロケット の初打ち上げである。 |
サターンV型ロケットの第一段目 S-IC は ボーイング社で造られ、アラバマ州ハンスビルのマーシャル宇宙飛行センター (Marshall Space Flight Center / MSFC) で組み立てられた。全長85m、直径10m、重量2800トン。 F-1 エンジンを5基束ねて 7,500,000ポンド (3,405トン=33,361,650ニュートン) の推力をたたき出す。 推進剤は二液式で、燃料はケロシン (RP-1, kerosene, 610トン)、酸化剤は液体酸素 (LOX, liquid oxygen, 1420トン) を使用する。そして、低温液化型の常として推進剤冷却システムが備わっている (酸素が液体であるためのボーダーラインは零下183度)。 一段目 S-IC を比推力 (推力 ÷ 消費する推進剤の質量/sec) に換算すると 260秒、推進剤消費率は 13トン/秒 となる。つまり2分30秒ほどで推進剤を噴出させてしまうことになる。 V-2号の推進剤消費率 126kg/秒 と比較すればその凄さが実感できる。 S-IC の中央のエンジン (1基) は固定されていて、その外周の4基のエンジンは可動式となっている。エンジン・カットオフのタイミングなどもそれぞれ異なり、それら制御は S-IU (Schematic of the Instrument Unit) によって行なわれる。 |
カリフォルニア州のノース・アメリカン航空会社 (North American Aviation, Inc.) で造られたサターンV型ロケットの第二段目 S-II は J-2 エンジンを5基束ねて 1,000,000ポンド (455トン=4,448,220ニュートン) の推力を出す。 推進剤は二液式で、燃料には液体水素 (LH2, liquid hydrogen) を、酸化剤には液体酸素 (LOX, liquid oxygen) を使用する。なお、推進剤冷却システムが備わっている (液体であるためのボーダーラインは、水素が零下253度、酸素が零下183度)。 S-II は、これらの推進剤 425トンを6分間で消費する。 5基の J-2 エンジンは S-IC (一段目) の機構を真似て中央のエンジン (1基) のみ固定され外周 (4基) のエンジンは可動式になっている。その制御は S-IU (Schematic of the instrument unit) が行なう。 |
カリフォルニア州のマクダネル・ダグラス社 (McDonnell Douglas Aircraft) で造られたサターンV型ロケットの第三段目 S-IVB は J-2 エンジン1基で 200,000ポンド (90.8トン、890,000ニュートン) の推力を出す。 推進剤は二液式で、燃料には液体水素 (LH2, liquid hydrogen) を、酸化剤には液体酸素 (LOX, liquid oxygen) を使用する。なお、推進剤冷却システムが備わっている (液体であるためのボーダーラインは、水素が零下253度、酸素が零下183度)。 S-IVB は、これらの推進剤 105トンを7分半で消費する。 この J-2 エンジンは可動式で、S-IU (Schematic of the instrument unit) の制御で yaw (偏揺れ) や pitch (上下の揺れ) に対処する。底部 (AFT INTERSTAGE) の直径は 10m だが AFT SKIRT のジョイント部分から上は先細りになって直径6.6m となる。 この AFT SKIRT には180度離れて二つの姿勢制御用モジュール (propulsion system modules) がマウントされている。これらのモジュールは J-2 エンジンの推力がある段階では roll (左右の揺れ) に、同ロケット・エンジンの噴射が停止した状態では yaw (偏揺れ) や pitch (上下の揺れ) に対処する。 S-IVB の最上部 (S-IUの位置) には、月着陸船 (Lunar Module /LM) を収容した LM アダプター (Spacecraft Lunar Module Adapter /SLA) が連結されていて、CSM とのドッキング時に 四つ葉状に散開 する。 →位置関係のイラスト 月着陸ミッションにおける S-IVB は、地球周回軌道上でエンジンに再点火され、地球の引力圏を離脱する役割を担う (アポロ宇宙船に同伴して月に向かう)。 |
Saturn V stage 3 atop ( S-IU / ...IU)
アラバマ州ハンスビル生まれの S-IU (Schematic of the Instrument Unit / ...IU) はサターンV型ロケットの第三段目 S-IVB の最上部、つまり、液体水素タンクの上部に位置しているリング状ユニットである。直径6.6m、高さ1m弱、重量約10トン。サターンの頭脳といえる。制作はIBM (IBM社製の誘導コンピュータは既に Saturn I の頃から使用されている)。 機能的には Saturn IB の S-IU と殆ど同じである。 その内周には、コンピュータ、ディストリビュータ、コンディショナー、テレメーター、トランスミッッター、レーダー、高度計、加速度計、センサー、マルチプレックス装置、テープレコーダー、バッテリー、各種計器類等が、16枚のプレート (一辺76cmの正方形) に夫れ夫れ配置されていて、機上誘導、すなわち、飛行経路の計算・修正、F-1 や J-2 の各ロケット・エンジンの制御 (推力制御)、姿勢制御、コンポーネントの切り離し等を司る。 また、ユニットに関する熱対策も万全で、独自の冷却システムを機能させて発熱に対処している。 |
サターンV型ロケットを使用したミッションは、全て Launch Complex 39 (発射台を含む複合体 39) から打ち上げられている。アポロ 4号 (Pad A)、6号(Pad A)、8号 (Pad A)、9号 (Pad A)、10号 (Pad B)、11号 (Pad A)、12号 (Pad A)、13号 (Pad A)、14号 (Pad A)、15号 (Pad A)、16号 (Pad A)、17号 (Pad A) である。 サターンV型ロケットも、サターンI型/サターンIB型と同様、打ち上げカウントダウンが始まるまでに数々のチェック (テスト) を経ることになる。スケールアップやパワーアップに比例してチェックアウトに要する時間や手間が増すのは、いわば宿命のようなものだ。 VAB , Launcher and Crawler-Transporter , Service structure
Launch Complex 39 は、VAB (Vehicle Assembly Building)でモジュールやロケットを組み立て、モビール・ランチャー (Mobile Launcher、移動式の発射装置) ごと クローラー・トランスポーター (運搬装置) で発射台へと運ぶ方式をとっている。 |
( Mission ) | ( Launch Vehicle ) | ( Payload-Spacecraft ) | ( Launch Complex-Pad ) | ( Launch Date-Time ) |
AS-501/Apollo-4 |
Saturn V |
CSM-017/Block I |
Launch Complex 39 |
April 4,1968;07:00:01am(EST) |
AS-502/Apollo-6 |
Saturn V |
Launch Complex 39 |
April 4,1968;07:00:01am(EST) |
|
AS-503/Apollo-8 |
Saturn V |
CSM-103 |
Launch Complex 39 |
December 21,1968;07:51:00am(EST) |
AS-504/Apollo-9 |
Saturn V |
Launch Complex 39 |
March 03,1969;11:00:00am(EST) |
|
AS-505/Apollo-10 |
Saturn V |
Launch Complex 39 |
May 18,1969;12:49:00am(EDT) |
|
AS-506/Apollo-11 |
Saturn V |
Launch Complex 39 |
July 16,1969;08:32:00am(EST) |
|
AS-507/Apollo-12 |
Saturn V |
Launch Complex 39 |
November 14,1969;11:22:00am(EST) |
|
AS-508/Apollo-13 |
Saturn V |
Launch Complex 39 |
April 11,1970;02:13:00pm(EST) |
|
AS-509/Apollo-14 |
Saturn V |
Launch Complex 39 |
January 31,1971;04:03:02pm(EST) |
|
AS-510/Apollo-15 |
Saturn V |
Launch Complex 39 |
July 26,1971;09:34:00am(EST) |
|
AS-511/Apollo-16 |
Saturn V |
Launch Complex 39 |
April 16,1972;12:54:00pm(EST) |
|
AS-512/Apollo-17 |
Saturn V |
Launch Complex 39 |
December 7,1972;12:33:00am(EST) |
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